『マリリンモンロー・ノー・リターン』という歌を知っていますか。
この曲は作家・タレントとして知られる
野坂昭如
が歌った作品として知られ、昭和のアングラ文化を象徴する楽曲のひとつです。
野坂昭如の歌と言えば
黒の舟唄
が有名ですが、この『マリリンモンロー・ノー・リターン』もまた、彼の世界観をよく表した一曲と言えるでしょう。
最近ふと聴きたくなりYouTubeで検索してみると、思いがけないカバーを発見しました。
それが女性バンド
キノコホテル
による『マリリンモンロー・ノー・リターン』です。
そして正直に言えば、これが驚くほど良い。
今回は、そんなキノコホテル版『マリリンモンロー・ノー・リターン』を紹介します。
マリリンモンロー・ノー・リターンとは
この曲のタイトルにもなっているマリリン・モンローは、ハリウッド黄金期を象徴する女優です。
セクシーでありながら孤独を抱えたスターとして知られ、1962年に36歳で亡くなりました。
『マリリンモンロー・ノー・リターン』は、そんな時代の終わりを嘆くような歌です。
歌詞には、
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ニヒリズム
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厭世観
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刹那的な快楽
といった昭和のアングラ文化特有の空気が漂っています。
ちなみにこの曲の作詞は、桜井順(作詞名:能吉利人)によるものです。
野坂昭如自身も同タイトルの短編集を出版しており、この曲は彼の文学世界とも深くつながっています。
野坂昭如といえば『黒の舟唄』
野坂昭如の歌として最も有名なのは、やはり黒の舟唄でしょう。
「男と女のあいだには〜」ではじまるこの曲は、昭和の退廃的なロマンを感じさせる名曲です。
独特の渋い歌声で、昭和の退廃的な空気をそのまま封じ込めたような歌になっています。
この歌は多くの歌手にカバーされていますが、特に有名なのは加藤登紀子のバージョンでしょう。
また、桑田佳祐もカバーしており、ソロシングル『真夜中のダンディ』のカップリング曲として収録されています。
キノコホテルの『マリリンモンローノーリターン』
さて、本題のキノコホテル版です。
これがとにかくMVが素晴らしい。
舞台は温泉。そこに漂う、どこか気だるい空気。
昭和のニヒリズム。
退廃。
刹那的な快楽。
そうした世界観が、映像として見事に表現されています。
言ってしまえば、野坂昭如の世界観を現代の感覚で再構築した映像作品です。原曲の魅力を壊さず、それでいて新しい作品に仕上げている。これはかなり完成度の高いカバーだと思います。
キノコホテルとはどんなバンド?
キノコホテルは2000年代に活動を始めた日本のロックバンドです。
特徴は
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昭和歌謡
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ガレージロック
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レトロな世界観
を組み合わせた独特の音楽性。
衣装やステージ演出も含め、昭和の妖しい文化を現代に再現するようなバンドと言えるでしょう。
その意味でも、『マリリンモンロー・ノー・リターン』という曲をカバーするのは非常に相性が良いのかもしれません。
→キノコホテルのYouTubeチャンネル
まとめ
『マリリンモンロー・ノー・リターン』は
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野坂昭如
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黒の舟唄
と並ぶ、昭和アングラ文化の空気を感じさせる楽曲です。
そしてその名曲を現代に蘇らせたのが、キノコホテルのカバーと言えるでしょう。
昭和の退廃とニヒリズム。そして少しのロマン。
もしまだ聴いたことがないなら、ぜひ一度キノコホテル版のMVを見てみてください。
きっと、昭和という時代の奇妙な魅力が見えてくるはずです。
ちなみに個人的な野坂昭如入門におすすめの本は、火垂るの墓も収録されている短編集です。
昭和から平成にかけて、歌詞の文学性という点で語られることの多い歌手としては、浜田省吾や尾崎豊、そしてブルーハーツも外せません。








