ドキュメンタリー映画『We Love Television?』を知っていますか?
電波少年のディレクター土屋敏男さんが監督し、萩本欽一さんのテレビ作りの真髄を追った映画です。
視聴率100%男の異名をとった欽ちゃんに、日本テレビの土屋さんが、
「もう一度、30%番組を作りましょう」
と話を持ちかけるところから映画はスタートします。
次長課長の河本さん、田中美佐子さん、そして裏方には、放送作家の高須さん、チームラボなどが加わり、世代を超えた情熱がほとばしる心震える映画となっています。
今回は、そんなテレビ史に残る映画『We Love Television?』を徹底解説します。
萩本欽一主演のドキュメンタリー映画『We Love Television?』徹底解説
映画『We Love Television?』は、心が熱くなる映画です。
欽ちゃんの全盛期を知らなくても、芸人さんテレビ関係者を含め何かモノ作りや表現活動をしている方は、ゼッタイ観ておいた方がいい映画です。
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※ちなみに書籍も販売しています。
監督は日本テレビの土屋さん
映画『We Love Television?』の監督は、電波少年のディレクターとして有名な日本テレビの土屋敏男さんです。
冒頭にも書きましたが、土屋敏男さんが欽ちゃんを待ち伏せし、
「もう一度、30%番組を作りませんか」
と誘うところから映画はスタートします。
欽ちゃんは、突然現れた土屋監督に戸惑いながらも、
「うれしいね~。やろうか」
と応えます。
2人は旧知の仲のようですが、一視聴者としては萩本欽一さんと土屋監督の接点が思い浮かばない方が多いかもしれません。
萩本欽一と土屋敏男の関係とは
実は、土屋監督は若い頃、欽ちゃんの番組でディレクターをしていたそうです。そして、大ヒットした電波少年の原型になったのは、欽ちゃんのアル言葉だったそうです。その言葉こそ、視聴率をとる為に欽ちゃんが考えたテレビの法則です。
「ただの笑いだけじゃ数字は取れないよ。数字を取る為には物語が必要なんだよ。素人が有名になる物語がね」
この欽ちゃんの言葉で、電波少年は無名の新人を使い猿岩石の有吉さんやなすびさんなど、数多くの有名人を輩出しました。
この法則は、テレビだけではなく、今のYouTubeにもあてはまることでしょう。ヒットするYouTubeチャンネルには、必ず物語があります。物語としては、YouTuber個人のサクセスストーリーでもいいですし、動画自体に物語(設定)をつける方法もあるでしょう。
確かに欽ちゃんが言うようにヒットするか不発で終わるかは、物語の有無だろうと思います。
萩本欽一の言葉「死んだあとに流してくれ」
萩本欽一さんは、この映画『We Love Television?』にたいして、
「おれが死んだ後に流してくれ」
と語っています。
実際は、すでに劇場公開され、DVDもありますが…。
この言葉もそうですが、欽ちゃんを知れば知るほど、名言がたくさん出てきます。
本も何冊か出していて、この前「マヌケのすすめ」を読みました。
「マヌケとバカは違う」、自分をバカではなくマヌケと思い、バカだと思った相手にはマヌケと言うことで、人生はうまくいくという内容です。「運は、うしろ(背中)からやってくる」など、欽ちゃんの成功哲学は独特なものが多くタメになります。
次長課長・河本の実力
映画『We Love Television?』は、次長課長・河本さんの活躍が目立っている映画でもあります。
欽ちゃんのムチャブリに、期待以上の返しをする河本さんを見て、素直に「河本、すげーな~」と思うことでしょう。そして、すべてが終わったあとの河本さんの最後の涙には、感動します。本当に、河本準一さんはスゴいです。欽ちゃんの正攻法の笑いに、正攻法で返すなんて誰にでもできることではありません。
欽ちゃんは河本さんに言います。
「リハーサルで練習したことは本番でしないでね。特に河本だけはゼッタイ新しいセリフにしてよ」
河本さんは頭を抱え、「胃が痛い」と放送作家の高須さんにささやきます。しかし結果を見れば、それが正解だったことがわかります。欽ちゃんは一瞬で河本さんの実力を見抜きました。河本さんを困らせれば困らせるほど、もっと面白いものがでてくることを、一瞬で悟ったのです。
坂上二郎さんと河本さんの姿がダブります。坂上二郎さんもガンガン困らせて力を引き出す欽ちゃんのやり方で、毎回、困りながらどんどん面白い返しをしていったのだろうと思います。こう考えると、萩本欽一さんもスゴイし、河本準一さんもスゴイし、坂上二郎さんもスゴイですよね。
母親の生活保護受給問題からなかなかテレビでの活躍ができていない河本さんですが、この映画を観た方なら素直に「こんな面白くてすごい人を使わないなんて、もったいない」と思うことでしょう。なかなか調子がつかめず悪戦苦闘しているようですが、成功を祈っています。
まとめ
映画『We Love Television?』は、土屋監督、萩本欽一さん、次長課長の河本さんの熱い気持ちが伝わってくる作品でした。
この映画は、タイトル通りのテレビだけの話ではありません。テレビ好きも、YouTube好きも、すべての制作者、演者、視聴者の方に観てもらいたい映画です。
結果、視聴率は30%いったのか??
視聴率は…えーと…実は…。
いえ、そのことは言わないでおきます。
是非、映画を観て確認してみてください!