村上龍さんの小説『半島を出よ』を知っていますか。
村上龍さんは、芥川賞を受賞している日本文学を代表する小説家です。
昔からテレビ番組で『Ryu’s BAR』の司会をやっていたり、今でも『カンブリア宮殿』で司会を務めていますから、知っている人は多い事でしょう。
数多くある村上龍さんの小説は、どれも面白いのですが、その中でも福岡県民に読んでほしい小説として『半島を出よ』が挙げられます。何といっても舞台が福岡で、なおかつ妙なリアリティがあるからです。
今回は、そんな福岡県民に読んでほしい小説my1位の『半島を出よ』を紹介します。
福岡県民なら読んでおきたい小説1位は村上龍『半島を出よ』な理由
簡単にいうと、村上龍さんの『半島を出よ』は、市街戦をモチーフにした物語です。
同じく市街戦を描いた小説に『5分後の世界』があります。こちらは歴史戦記といいますか、先の太平洋戦争終結後のもしも話になっています。もし日本が降伏した後も、一部の軍人がゲリラ活動を続けていて、それが現代も続いているとしたら、という…。
こちらも面白いですし、是非読んでほしいですが、舞台は東京になっています。
『半島を出よ』を福岡県民におすすめする理由は、物語の舞台が終始『福岡』だからです。もし福岡に北朝鮮が攻めてきたら…という現代的なもしも話になっています。
次に、簡単なあらすじを紹介します。
村上龍『半島を出よ』のあらすじ
先ほども少し書きましたが、舞台は福岡です。
簡単にいうと、もし福岡に北朝鮮軍が攻めてきたら、という話です。現代の国際情勢のなかで、この設定そのものにも確かに妙なリアリティがあるのですが、リアリティを増している部分はそれだけではありません。福岡ドーム(現・PayPayドーム)、NHK福岡放送局、福岡市役所など福岡の日常風景の中に、突如、北朝鮮軍が攻めてくるのです。その時の市民、行政、メディアの反応など「あり得そう」なリアリティがいっぱい出てきます。
はじめは日本政府も当然のように、福岡を救出すべく懸命に対応します。しかし、味方だと思っていた自衛隊が市民をも巻き込んだ無謀な戦闘で、福岡県民に犠牲者を出すのです。福岡県民から、市民の命を何とも思っていない日本政府への不信感が芽生えていきます。さらに日本政府も、もうどうにもできないとなると、徐々に福岡を見捨てていきます。福岡県は北朝鮮軍ともども日本政府から兵糧攻めのような扱いを受けます。
そしてとうとう福岡県は、「もう政府はあてにならない」と日本政府から距離を置き、共に生活している北朝鮮軍に親近感をもっていき、日本から独立することを目指していく事になるのです。福岡県に限らず九州の各県なら、独立を目指すことはあり得るというのがリアリティを増しているところだろうと思います。九州は古来から、幾度となく日本政府と対峙しています。明治時代の日本最後の内戦・西南戦争も結局は、九州vs日本政府という構図なのです。
なぜか映画化が頓挫した理由
実は、この村上龍の『半島を出よ』は映画化の話があったのですが、頓挫してしまいました。→ニュース記事はコチラ
どうして映画化がなくなったのかはわかりませんが、もし映画化になっていたならかなり面白い作品になっていたと思われますから、残念です。ただ、そもそもこの物語は、かなり広大な話ですから、映画化できるのはハリウッドくらいの規模がないと無理な気もします。
まとめ
今回は、福岡県民に読んでほしい小説村上龍『半島を出よ』を紹介しました。
『半島を出よ』は、上下巻あります。2巻もあり、それぞれ分厚いのですが、面白いからあっという間に読み終えます。福岡県民なら、是非とも読んでほしい小説my1位です。
ちなみに村上龍さんは、長崎県佐世保出身になります。