あやしい彼女を知っていますか?
2016年公開の日本映画で、2014年公開の韓国映画「怪しい彼女」のリメイク版になります。
これ、チョー面白かったです。
倍賞美津子さんの確かな演技力により、多部未華子さんのキュートさが引き立っています。
老若男女とわず誰もが笑って泣ける映画です。
今回は、そんなコミカルで感動する映画「あやしい彼女」を徹底解説します。
多部未華子と倍賞美津子コミカルで感動する映画「あやしい彼女」解説
先日、映画「あやしい彼女」をアマプラで無料で観ました。
これより以下は、ネタバレ満載になっています。
もし、まだ「あやしい彼女」を観ていない方、ストーリーを知りたくない方はご遠慮ください。
監督は水田伸生
監督は、水田伸生さんになります。
水田伸生監督作品には、下記の映画もあります。
- 舞妓Haaaan!!!(2007年)
- 252 生存者あり(2008年)
- なくもんか(2009年)
- 綱引いちゃった!(2012年)
- 謝罪の王様(2013年)
ヒット作ばかりです。
笑って泣ける映画の名人かもしれません。
倍賞美津子と多部未華子のW主演
まず映画の冒頭は、大取節子(多部未華子)が病院のベッドの上で寝ているシーンから入ります。
大取節子が横を向くと、隣に血まみれの瀬山翼(北村匠海)が寝ています。
大取節子は、瀬山翼を力強い眼差しでじっと見つめます。
この一瞬で、ひとまず大取節子のシーンは終わりです。
次からは、しばらく瀬山カツ(倍賞美津子)のシーンが続きます。
倍賞美津子のストーリー
まず映画の前半部分は、瀬山カツ役の倍賞美津子さんが熱演しています。
瀬山カツのストーリー
瀬山カツ(倍賞美津子)は、70代の陽気なおばあちゃん。
商店街を我が物顔で、言いたい放題やりたい放題で、踊りながら歩いています。
どこにもでもいる地元の名物おばちゃんといった雰囲気です。
瀬山カツは、幼馴染で同じ戦争孤児の中田次郎(志賀廣太郎)が営む銭湯で働いています。
銭湯の常連客であり宿敵のマダムには、相原みどり(金井克子)がいます。
相原みどりのことを、瀬山カツは「厚化粧ババア」と呼んでいます。
相原みどりは、中田次郎に気があるようです。
瀬山カツの家族
瀬山カツには、一人娘がいます。
娘の瀬山幸恵(小林聡美)は、女性ファッション誌の編集長をしていましたが左遷されています。
瀬山カツは、娘の幸恵のことを近所の人に自慢ばかりしています。
瀬山幸恵には、一人息子の瀬山翼(北村匠海)がいます。
瀬山カツ、瀬山幸恵、瀬山翼は同居しています。
孫の瀬山翼は、大学にはほとんど行かず、バンド活動に明け暮れています。
そんな、ある日、瀬山カツと娘の瀬山幸恵が口論をします。
瀬山幸恵に「お母さんは、いつも私のせいで自分がやりたいこともできなかったという。犠牲になったという。その自分のやりたいことのために生きなさいよ」と言われ、家を飛び出す。
瀬山カツの若返り(70代→20歳へ)
いじけて途方に暮れている瀬山カツの目の前で、不意に、写真館の明かりが灯る。
吸い寄せられるように写真館の前に行く瀬山カツ。
若いころ憧れた映画「ローマの休日」のオードリー・ヘップバーンの写真がある。
瀬山カツは写真館に入り、むかし夢見たお姫様のような写真を撮ってもらうことにする。
※写真館の主人は、温水洋一が演じている。
主人はこう言う。
「あなたをお姫様にしてあげますよ」
写真を撮り終わり表へ出た途端、原付バイクに乗った男に瀬山カツはバッグをひったくられた。
バイクを追いかける瀬山カツの足は、驚くほど速く、原付バイクに追いついた。
そして、ひったくり犯の被っているヘルメットのシールドに写っている自分の姿を見た瀬山カツは、自分が20歳頃に若返っていることに気づいた。
ここから、次は、大取節子(多部未華子)に主役が変わります。
多部未華子のストーリー
瀬山カツが若返り、大取節子(多部未華子)になります。
映画の後半は、大取節子(多部未華子)が主役になります。
大取節子のストーリー
20歳頃に若返ったはいいが、自分が本当にやりたいことがわからない大取節子(多部未華子)がいた。
ひとまずオードリーヘップバーンのような服を着てみる。
町内のど自慢大会で、宿敵の相原みどりがステージで歌い合格の鐘を響かせたことにむかついた大取節子は、自身もステージにあがり歌を歌う。
大取節子の歌声に割れんばかりの拍手が送られる。
大取節子の歌手デビュー
それを聴いていた瀬山翼と音楽プロデューサーの小林拓人(要潤)が大取節子に接近する。
瀬山翼は、自分のバンドのボーカルとして大取節子をスカウトする。
大取節子率いるバンドは、見る見るうちに成長し、音楽プロデューサー小林拓人の力もあり、テレビ番組に出演、フェスの出演も決まる。
同時進行で、大取節子と小林拓人が恋におちる。
大取節子は久しぶりの恋に胸がときめく。
大取節子の決断と消滅
そんな矢先、瀬山翼が一世一代の大舞台フェスの前に、交通事故にあってしまう。
血だらけでどうにかフェスの会場にたどり着いた瀬山翼だったが、力尽き、救急車で運ばれる。
その姿をみた大取節子は、こう言う。
「これでデビューが決まるかもしれないんだ。翼がいなくてもステージで歌わせてくれ」
歌い終わった大取節子は、瀬山翼が搬送されている病院へと行った。
輸血が足りない、とのこと。
一致するのは、大取節子だけだった。
しかし、血を抜いたら、せっかく手に入れた若さと自分の為に生きる人生が消えてなくなり、また元の70代のおばあちゃんに戻ってしまうのだ。
それでも、大取節子は、こう言ってのけた。
「わたしの血を全部抜いてくれ」
娘の瀬山幸恵は、こう言い諭す。
「お母さんの人生を生きていいのよ。私の息子は私が守るから。大丈夫だから」
しかし、大取節子に迷いはなかった。
「なに言ってんだい。あんたや孫のおかげでわたしは幸せに生きてこれたんだよ」
そして、大取節子は、孫である瀬山翼のために自らの血を捧げる。
ここで冒頭のシーンに戻る。
そして。
元の70過ぎの瀬山カツ(倍賞美津子)に戻り、20歳の大取節子(多部未華子)はこの世から消滅した。
まとめ
今回は、映画「あやしい彼女」の倍賞美津子と多部未華子を紹介しました。
多部未華子さんのキュートさと倍賞美津子さんの深みが絶妙に重なりあり、見事な映画になっています。
子を持つ親なら誰もが感じることだろうと思います。
「わたしの人生とは?」
コミカルな映画ですが、人生にたいする奥深い問いかけがあります。
映画「あやしい彼女」は韓国版の「怪しい彼女」ともども、amazonプライム会員で観ることができます。30日間の無料期間もありますので是非ご覧ください。