2019年9月2日に安部譲二(享年82歳)さんが亡くなられました。
しばらくHPの更新がなかったから心配していましたところ、突然の訃報に本当にビックリしました。
安藤昇さんや安藤組の話、塀の中の懲りない面々、三島由紀夫さんとのエピソードなど安部譲二さんは昭和の生き字引のような存在でした。
追悼・安部譲二、死去!あんぽんたんな日々と最後の動画を紹介
安部譲二さんは映画化もされた「塀の中の懲りない面々」を代表作とする日本の作家です。
実際、若いころはヤクザだったことで有名ですが、ヤクザといっても安藤昇率いる渋谷の安藤組です。他のヤクザとは違います。安部譲二さんの印象は、自由業というイメージが一番近いでしょう。
※渋谷のカリスマ・安藤昇さんについて知りたい人は、石原慎太郎さんが安藤昇さんについて書いている著書『あるヤクザの生涯 安藤昇伝』を読んでみてください。
遺言1:HP『大人げない大人』
安倍譲二さんは『大人気ない大人』というHPをやっていました。
HPのトップには、こう書いてあります。
僕は、編集者と、それに読者に媚びずに文章が書きたいと考えて、このホームページを創りました。
だから、これまで僕が書いてきた文章とは、タッチや内容が違うかもしれません。
皆さまに楽しんでいただけるといいなと思っています。
HP内の「あんぽんたんな日々」というページで2003年10月から2018年11月まで15年にも渡って連載をしています。言葉通り、生き生きと思いのままに文章を綴っているように思います。是非とも読んで欲しいページです。
遺言2:安部譲二さんのYouTube動画
安部譲二さんがもう少し生きていれば、自身のYouTubeチャンネルを開設していたかもしれません。ただ現在でも、在りし日の姿が見れる朝まで生テレビの動画や、他のテレビ番組に出ているダンディな動画がYouTubeに複数upされています。その中で、一番観て欲しいのは、2014年2月の死刑廃止を訴える動画です。
安部譲二さん本人も亡くなる5年ほど前(77歳の時)のこの動画の中で、表舞台で話すのはこれで最後と語っている通り、これ以後の動画は見当たりません。
死刑についての個々人の意見は色々あると思いますが、刑務所に行ったこともない人間が語る思想や感性や偏見などの机上の空論ではなく、自分自身が生きてきた人生だけでもって必死で語り訴えている姿に誰もが胸を打たれることでしょう。
まとめ
安藤昇さんも亡くなり、野坂昭如さんも亡くなり、とうとう安部譲二さんも亡くなってしまいました。
このページを読んでくれた方は、たぶん安部譲二さんのことを好きな方だろうと思います。愛嬌があり、男っぽく、正直で、尊敬できる人でしたから誰もが悲しいことでしょう。
ヤクザジャーナリストの鈴木智彦さんの著書・潜入ルポ ヤクザの修羅場の中に間接的に安部譲二さんが出てくるエピソードがあります。
鈴木さんがアメリカのロサンゼルスでカメラマンを目指していた若い頃、たまたま安部譲二さんの舎弟だったという方と巡りあい、「ヤクザを撮れ」と助言されたとのことです。それがきっかけで、ヤクザ専門のジャーナリストを志したということでした。元舎弟さんが何故そう言ったかはハッキリ書かれてはいませんが、多分、安部譲二さんがカッコよかったからじゃないかなと想像できます。
最後になりますが、作家安部譲二の絶滅危惧種の遺言を紹介します。この遺言には生きる上でのヒントがたくさんあります。ぜひ読んでみてください。