森達也のFAKE⁉佐村河内守と新垣隆ゴーストライターの真実とは⁉

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森達也さんの映画『FAKE』を知っていますか。

ゴーストライター問題で世間を騒がせた佐村河内守さんに密着したドキュメンタリー映画になります。

「でも、本当のところ、どうだったの?」

この疑問に切り込んだのが、映画FAKEになります。しかし、最後まで観ても、何となくモヤモヤが残る映画になっています。

森達也さんは、映画FAKEを通して何を伝えたかったのでしょうか?

 

今回は、そんなモヤモヤが残る映画FAKEを徹底解説します。

森達也『FAKE』佐村河内守と新垣隆ゴーストライター騒動の真実

森達也さんと言えば、オウム真理教のサリン事件後、オウム真理教の密着ドキュメンタリー映画『A』『A2』を撮ったことで有名です。※Amazonプライムビデオで観ることができます。まだ観ていない方は30日間無料お試し期間がありますので、是非、ご覧ください。

森達也『A』『A2』

映画『A』と『A2』を観た方ならわかると思いますが、『A』と『A2』により、森達也さんは、テレビで流される映像はテレビ局側や世間からの一方向の視点であることを表現しました。

森達也さんは、多くのマスメディアのように施設の外側からオウム真理教の信者を撮るのではなく、オウム真理教の施設に入り信者への密着ドキュメンタリー映画を撮ることで、逆にオウム真理教側からマスコミや世間がどう見えているかを表現しました。

個人的には、まず書籍で読んだ後、映画『A』と『A2』を観ました。

書籍では教祖であった麻原彰晃の刑務所生活を記した『A3』もあります。

 

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マスゴミ=発表報道+偏向報道

森達也さんの映画では常にどんな事件であっても、一方向での視点での報道は偏向報道であり偏見であることを伝えてくれています。

報道というからには反対側の視点も必要なのです。

最近になって、マスゴミと揶揄されることが多くなったテレビや新聞社や週刊誌の報道姿勢です。

森達也さんは、オウム真理教の事件以後、世の中が変化したと主張されています。

しかしながらFAKEに関しては最後まで観ても、一体何が言いたかったのかわかりにくいものがあります。

森達也FAKEのあらすじ

森達也さんが、佐村河内守さんのマンションで「貴方を撮らせてください」と頼むところから、FAKEはスタートします。

部屋には、佐村河内夫妻がいます。

佐村河内守さんの妻は、耳が聞こえない佐村河内さんに手話と口元を使い、森達也さんの言葉を伝言します。

映画FAKEは、ほぼ佐村河内守さんの住むマンションの部屋の中で、佐村河内夫妻に密着する内容になっています。

マンションの部屋には、テレビ関係者が番組への出演オファーに来たり、雑誌の取材が来たりします。

映画FAKEでは、バラエティ番組の制作手法、新垣隆さんの活躍ぶりの意味などただテレビを観ているだけでは一視聴者にはわからなかったテレビ番組の裏側を知ることが出来ます。

ゴーストライター問題とは何だったのか?

それにしても、ゴーストライター問題とは何だったのでしょうか?

佐村河内守さんの主張は、音楽の骨子をイメージし、それを新垣隆さんに伝えたとのことです。

その後、新垣隆さんが佐村河内守さんのイメージを音楽として具現化するという作業内容だった、とのことです。

ただ、この作業内容だとしても、疑問が生じます。

海外メディアの記者が鋭い質問をします。

「あなたが本当に耳が聴こえないのならば、出来上がった音楽があなたのイメージ通りの曲になったのか、わからないのではないか?全く違うものだとしても、あなたに知ることはできない。どうやって知ることが出来るのか?」

つまり、耳が聴こえているか、それとも音楽を作っていないかのどちらかだというのです。

このことの回答には、聴覚障がい者が用いる音楽プレーヤーである骨伝導イヤホンがあることを映画のシーンに挟みます。

佐村河内守さんの主張が正しいのか、新垣隆さんの主張が正しいのか?

佐村河内守さんは本当に耳が聴こえないのか?

このことの答えは、最後までウヤムヤなままです。

森達也さんは、佐村河内守さんに、ある提案をします。

「自分で一から音楽を作ってみたら?」

佐村河内守さんは提案を受け入れ、作曲活動を再開します。

そして、問題のラストシーンへ突入するのです。

森達也FAKEは勧善懲悪を求める者へのアンチテーゼ

佐村河内守さんは、音楽を完成させます。

そして、映画FAKEは終わります。

観終わった後、多くの方が狐につままれたようになったのではないかと思います。実は、そのわかりにくさこそが、FAKEの真意だったのです。

結論をいうと、報道は善悪の彼岸であるべき、というメッセージです。

森達也さんのメッセージは、常にマスメディアへの批判であることは周知の事実です。

映画FAKEに関しては言葉によるメッセージがない為、わかりにくい印象を受けますが、それこそが映画FAKEのメッセージだったわけです。

テレビなどマスメディアは、すぐに善人と悪人とにわけて報道します。

今回の件に関していえば、佐村河内守さんが悪人であり、新垣隆さんが善人となります。

そして水戸黄門の勧善懲悪物語のように、悪人を懲らしめます。

しかし、本当にそうなのでしょうか?

この世に、完全なる悪人などいるのでしょうか?

反対に、完全なる善人などいるのでしょうか?

森達也さんが映画FAKEで言いたかったことは、このことだろうと思います。

 

まとめ

今回は、森達也さんの映画FAKEを紹介しました。

佐村河内守さんのゴーストライター問題はウヤムヤなまま終わりましたが、それでいいのではないかとも思います。モヤモヤの原因は、知らず知らずのうちに善人と悪人とにわけて勧善懲悪を求める短絡思考にあったわけです。

この世に、完全なる悪人もいないし、完全なる善人もいません。佐村河内守さんと新垣隆さん、どっちも真であり、どちらにも偽があるのかもしれません。

しかし、マスコミは、本当にマスゴミになってしまっているように感じますね。水戸黄門という時代劇は放送終了しましたが、形をかえて、現代に勧善懲悪物語を復活させているのが、テレビの報道でありワイドショーなのでしょう。

最後になりますが、すべて個人的な感想です。人の数だけ結論は違うと思います。まだ観ていない方は、是非、観ることをおススメします。ちなみに個人的に映画は大体amazonプライムビデオで観ています。FAKEに関してはレンタル作品で、通常版400円、高画質500円でした。

映画FAKEは、どちらかというと佐村河内守さん側の視点になっていますから、新垣隆さん側の視点や考え方を知るには、下記の本がおススメです。

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